調律作業手順(主な工程)
ピアノの調整には、主に調律、整調、整音、修理などがあります。
特に整調は、アクション、ダンパーの調整だけで36工程あり、その中で今回は主な工程を紹介します。
調律
ピアノは88個ある鍵盤それぞれに1~3本の弦が張られ、弦の総数は約230本になります。
その鍵盤と弦をはじめとする約8,000個のパーツからなるピアノのメカニズムや理論を理解し1本1本の発音、伸び、輝きをそろえ、ピアノ本来の可能性を引き出すのが調律の仕事です。
鍵盤あがき
鍵盤の深さ調整の事を指します。鍵盤を押して行って何ミリ押すと底に到達するか、という事です。深すぎると指がもたつきますし、浅すぎると力強い音を出しにくくなります。
白腱、黒腱の深さを約10mmに均一に揃えます。不揃いだと我々がデコボコ道を目隠しで歩くのと同じように演奏者が非常に弾きにくくなります。
スプリング調整
打弦したハンマーが次の打弦に備えるためのバネの調整。ハンマーがスッと上がるように隣同士のハンマーの速度を一秒間に約12回、素早く連打できるようします。速すぎるとピアニッシモが出にくくなり、遅すぎると連打ができなくなります。
整音
整音とはその楽器の輝きと、生まれながらの性格、音色を引き出す作業。
1.ハンマー針刺し = ハンマーの弾力を調整して正しく発音するようにします。
2.ファイリング = ハンマーの形を整える。#80番から#1000番のどのペーパーを使うかで音色が変わります。
演奏を待つピアノ
音がずれている、鍵盤が重すぎるなどといったストレスは、ピアノに向かうモチベーションに悪影響を及ぼします。まったく違う個性を持つピアノ一台一台との出会いの中で、弾き手の好みに応じたチューニングが終わります。
ピアノがベストコンディションであれば、演奏の魅力が増すことは言うまでもありません。ピアノの演奏者にとって調律師は、最高のパフォーマンスに近づくための伴走者なのです。
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